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酪農家の年収は約373万円!年収が低いといわれる理由や将来性を解説

酪農家の年収は約373万円!年収が低いといわれる理由や将来性を解説

「酪農の分野に就職したいけど、年収ってどのくらいもらえるの?」
「酪農家は将来性があるの?年収はあがる?」

酪農への就職をお考えの方は、年収についてこのような疑問を抱えているのではないでしょうか。

この記事では、酪農家の年収や将来性、高収入を得るポイントについてくわしく解説していますので、最後までお読みいただくことで、酪農家で高収入を得る具体的なポイントが理解できるようになります。

酪農家として高収入を得たい人にとって、スムーズな就職活動ができる手助けとなれたら幸いです。

酪農家(自営業)の年収の平均は約373万円

令和4年の農林水産省の統計によると、酪農家の平均年収は約373万円です。

ただし、酪農家の年収は、働く牧場の規模や地域によって異なります。今回は、牧場の規模と地域別に酪農家の年収を比べました。

酪農家の牧場の規模別(搾乳牛飼養頭数別)における年収比較

牧場規模ごとの酪農家の年収は、以下のとおりです。

牧場の規模(搾乳牛飼養頭数) 平均年収
20頭未満 97万5,000円
20~30頭未満 100万3,000円
30~50頭未満 238万6,000円
50~100頭未満 598万1,000円
100~200頭未満 776万4,000円
200頭以上 1,569万1,000円

参考:令和4年営農類型別経営統計 | 政府統計の総合窓口

もっとも高い年収を得ているのは、200頭以上の乳牛を飼育する酪農家で、約1,569万円の年収を得ています。

一方、20頭未満の場合は約97万であり、その差は約1,472万です。

したがって、酪農家の年収は飼育する乳牛の数が多い牧場ほど年収が高いといえます。

酪農家の地域別の年収比較

酪農家の年収は、牧場のある地域によっても年収に差があります。

地域 年収
北海道 654万4,000円
東北 244万2,000円
関東・東山 221万9,000円
東海 371万9,000円
中国 272万6,000円
吸収 201万9,000円

参考:令和4年営農類型別経営統計 | 政府統計の総合窓口

酪農家の年収を地域別に比較すると、北海道がもっとも高いことがあきらかです。その理由として、北海道で飼育されている乳牛の数が多いことがあげられます。

北海道で飼育されている乳牛数は月平均75.4頭で、ほかの都府県の月平均39.7頭を上回っています。また、農林水産省の調査に参加した牧場のうち、200頭以上の乳牛を飼育する牧場は8つで、そのうち7つの牧場が北海道です。先述したとおり、飼育する乳牛の数が多いほど、酪農家の年収は高いです。したがって、飼育されている乳牛の数が多い北海道は、平均年収が高くなりやすいといえます。

酪農ヘルパーの年収

酪農ヘルパー(酪農家をサポートする職業のこと)の年収は、賞与を含めてだいたい300~400万円前後です。ただし、酪農家が地域によって年収の差があるように、酪農ヘルパーも勤務地によって年収に差が生じます。

酪農ヘルパーは、おもに酪農家の業務を代行し、高齢化が進む地域や人手不足が深刻な地域に重要な役割を果たします。さらに、繁忙期で人手がほしいときや、酪農家が休みたいときに、酪農ヘルパーは欠かせない存在でしょう。

酪農家の年収が低いといわれる理由

酪農家の年収が低いといわれる理由

酪農家の年収が低いといわれる理由は、以下のとおりです。

・飼料や燃料のコストが高い
・乳製品の価格が変動しやすい

それぞれ見ていきましょう。

飼料や燃料のコストが高い

酪農家の年収が低いといわれる一因に、飼料や燃料のコストが高いことがあげられます。乳牛に使用する飼料は輸入に依存しているため、その価格は国際市場の影響を受けやすいです。

実際に、乳牛の主食である穀物を含む配合飼料の価格は、令和2年9月時点で1トンあたり6万5,631円だったのが、令和5年2月は10万222円と高騰しています。

この高騰は、穀物を輸出しているウクライナの情勢が関係しているといわれています。

また、暖房や冷房の使用に必要な燃料は、乳牛の健康管理に不可欠であるため、コストアップが避けられません。これらのコストが収入を圧迫し、結果として酪農家の収益が低くなり、年収が少なくなる原因となり得ます。

乳製品の価格が変動しやすい

酪農家の年収が不安定といわれる理由に、乳製品の価格が変動しやすいことがあげられます。

乳製品の価格変動が起きやすい要因は、以下のとおりです。

・生乳価格の決定
・世界の市場の影響
・消費者の需要の変化と供給とのバランス

乳製品の価格が変わると、同じ出荷量でも市場の状況で得られる収入が変動がするため、酪農家の年収の不安定さ、ひいては年収の低さにつながるでしょう。

酪農家への就職で高収入を目指すポイント

酪農家として、高収入を得るポイントは、以下のとおりです。

・年収の高い地域に就職する
・自社製品や自社ブランドをもつ酪農家に就職する

それぞれ解説します。

年収の高い地域に就職する

酪農家として高収入を目指すには、年収の高い地域に就職することがポイントです。特に、ほかの地域と比べて北海道や東海地方は平均年収が100万円以上高いです。なかでも北海道は日本最大の酪農地帯であり、全国の生乳生産量の半分以上を生産しています。

また、北海道の牧場では、乳牛が食べる牧草を作付けしているため、ほかの地域より飼料のコストが安く済むことも年収が高い理由のひとつでしょう。

自社製品や自社ブランドをもつ酪農家に就職する

酪農家として高収入を得たいなら、自社製品や自社ブランドをもつ酪農家に就職するとよいでしょう。なぜなら、こうした酪農家は、市場での競争力を兼ね備えており、安定した収入につながりやすいためです。

自社で製品を生み出す酪農家は、乳製品の加工から販売までの工程をすべて自社で管理します。そのため、乳牛に使用する飼料の選定や製造工程に至るまで、一貫して高い品質基準を保てます。

常に安定した高品質な製品を提供できれば、消費者からの信頼が高まり、ブランド力が強まるでしょう。結果として、市場での競争力が向上し、収入の安定につながりやすくなります。

酪農の現状と将来性

酪農の現状と将来性

酪農業界では、機械化やスマート化の進展、酪農ヘルパーの活用などにより、働きやすい環境が整いつつあります。

一方、酪農経営者の高齢化と跡継ぎ問題が深刻化しており、これは酪農の仕事に若い世代が魅力を感じにくい現状が影響しています。そのため、若い世代が酪農のよさを感じ、選びやすい環境を整えることが重要です。

たとえば、IT技術を使ったスマート農業や環境に配慮した農業が進むと、若い世代の興味を引けるでしょう。なぜなら、これまでの酪農にはない新しい挑戦や社会への貢献を感じやすくなり、酪農に魅力を感じるからです。

また、地域の企業や学校と連携したプログラムを計画・実行することで、酪農がより身近だと実感できるきっかけを提供することも効果的です。こうした対策をとることで、将来的に若手が酪農業に参入しやすくなり、酪農業界の問題点を解決に導く可能性があります。

酪農の仕事内容

酪農の仕事は、牧場で乳牛を飼育し、搾乳して生乳を生産することです。質の高い生乳をつくるためには、365日24時間休むことなく乳牛の世話をしなければなりません。

酪農の仕事は以下のとおりです。

・搾乳
・哺育
・給餌(エサやり)
・牛舎や水槽の清掃
・乳牛の人工授精や出産

それぞれくわしく解説します。

搾乳

搾乳は酪農におけるメインの仕事であり、収益を上げるために欠かせません。

乳牛は1日に最低2回の搾乳が必要です。これを怠ると、乳牛が乳房炎を引き起こす可能性があるためです。そうすると、生乳の質が低下して出荷ができず収益の低下につながる恐れがあるため、乳牛の搾乳は酪農経営にとっても重要な仕事です。手動の搾乳は重労働ですが、最近では搾乳機の導入によって、作業の負担軽減が図られています。女性でも安心して搾乳作業がおこなえるでしょう。

ただし、過剰に搾乳すると、乳頭が傷ついて反対に乳房炎を引き起こしかねないため乳牛の状態に合わせた搾乳が大事です。

哺育

哺育とは、生まれたばかりの子牛の世話のことです。

生まれたばかりの子牛は非常に弱く、酪農家が初乳を与えたり、ぬれた体を乾かしたりしなければなりません。初乳には免疫を高める成分が含まれ、子牛の健康維持に不可欠です。そのため、子牛がうまく飲めるように補助することが大切です。また、適切な哺育をおこなうことで、子牛が健康に成長し、将来的に乳量の多い優秀な乳牛に育つ可能性が高まります。

生まれたばかりの子牛の世話を適切におこなうことが、結果的に酪農業の成功につながるでしょう。

給餌(エサやり)

乳牛へのエサやりは、酪農家の仕事のなかでも重労働といえます。

なぜなら、乳牛1頭あたり約40kgのエサが必要で、乳牛の数が多いほど量も増え、エサやりの負担が大きくなるからです。

質のよい生乳を生産するためには、乳牛の状態に合わせたエサの組み合わせでエサやりをしなければなりません。たとえば、お産が近い乳牛や生乳の量が多い乳牛には、通常のエサとは異なる調合のエサが必要です。

こうした乳牛の状態に合わせたエサやりが乳牛の健康を保ち、高品質な生乳の生産につながります。

水槽や牛舎の掃除

乳牛が飲む水の入った水槽や牛舎の掃除は、乳牛の健康を保つ大切な仕事です。

乳牛は1日に75リットルの水を飲むため、飲み水の入った水槽を常に清潔に保ち、病気になることを防がなければなりません。また、乳牛の体重は約700kgですが、その体を支える蹄ははがき1枚分のサイズしかなく、繊細です。そのため、ストレスなく横になって休める環境を整えることが必要で、掃除が重要です。

このように、乳牛の過ごす環境を整えることが乳牛の健康を保つことになり、質のよい生乳の生産につながるでしょう。

乳牛の人工授精や出産

酪農家が経営を続けるためには、乳牛の繁殖が不可欠です。

そのため、発情のタイミングを逃さず、適切なタイミングでの人工授精が成功の鍵となります。家畜人工授精師という資格があれば、飼育している乳牛に自分で種付けができます。

そうすれば繁殖の効率を高め、乳牛の生産能力を維持できるでしょう。

酪農家に向いている人の4つの特徴

酪農家に向いている人の4つの特徴

酪農家に向いている人は、以下の特徴をもつ人です。

・体力がある
・観察力がある
・動物の世話が好き
・毎日同じ時間に作業ができる

それぞれ見ていきましょう。

1. 体力がある

酪農家は、早朝から夜遅くまで働くことが多く、作業も重労働になりがちです。

そのため、酪農家になるには体力が不可欠といえるでしょう。例えば、乳牛が急に出産をはじめたり、病気が発生したりした場合には、時間に関係なく対応しなければなりません。

長時間の作業に耐えられ、緊急のことにも対応できる体力のある人が酪農家に向いています。

2. 観察力がある

乳牛の健康を維持するためには、乳牛の少しの変化に気づく観察力が必要です。例えば、搾乳を怠ると乳牛の乳房内で菌が増え、炎症を引き起こすことがあります。反対に、搾乳しすぎても乳房炎となることがあります。

こうした変化を早期に察知し、適切な対処をおこなうことが、乳牛の健康管理に欠かせません。観察力のある人は、このような乳牛の異常に迅速に対応できるため、酪農に向いているといえるでしょう。

3. 動物の世話が好き

酪農は乳牛と常に接する仕事であり、動物の世話が好きな人に向いています。

酪農では、乳牛とのコミュニケーションや世話が日常的におこなわれるため、動物に対する愛情や興味をそそげることが望ましいです。動物との触れ合いを楽しみながら仕事ができる人は、酪農業に向いています。

4. 毎日同じ時間に同じ作業ができる

規則正しい生活と仕事の習慣を維持できる人は、酪農家に向いているでしょう。

乳牛はデリケートな動物であり、毎日同じ時間に食事や搾乳、掃除をおこなわなければ体調をくずす可能性があります。そのため、酪農家の都合や体調不良などで、乳牛の世話を休むことはできません。したがって、酪農分野で働く人は、体調の自己管理ができ、計画性をもって仕事に取り組む姿勢を維持することが必要です。

酪農業界は今後も需要が高まる可能性が大きい

酪農家の平均年収は、牧場の規模や地域によって大きく異なります。牧場の規模が大きく、酪農が盛んな地域で働くことで高い年収を得られるでしょう。また、自社ブランドを持つ酪農家に就職することで、より安定した収入を得られる可能性があります。

今後は、スマート農業や環境にやさしい農業の導入で、若い世代が酪農業に魅力を感じ酪農業界の人手不足の改善が見込まれます。

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