03-5730-1331

受付時間 9:00〜18:00(土日祝はお休み)

有料職業紹介 許可番号 13-ユ-309036

畜産業の年収は約294万円!7つの業種別の年収や仕事内容を比較!

畜産業の年収は約294万円!7つの業種別の年収や仕事内容を比較!

「畜産業の年収ってどのくらい?」
「同じ畜産業でも業種で年収も変わるの?」

畜産業に興味をお持ちの方は、年収についてこのような疑問をお持ちではないでしょうか。畜産業は酪農や養豚、養鶏などさまざまな業種があり、それぞれの年収は異なります。

この記事では、畜産業における業種の年収をランキング形式で紹介します。また、畜産業で高収入を得るためのポイントや将来性についても解説しますので、これから畜産業に挑戦しようとしている方は、ぜひ最後までお読みください。

畜産業の平均年収は約294万円!業種別の年収ランキング

業種別の年収ランキング

令和4年営農類型別経営統計をもとに計算すると、畜産業全体の平均年収は約294万円です。

令和4年の厚生労働省の調査では、一般職の平均年収が約311万円であるため、一般職より畜産業の年収が約17万円低いです。

また、畜産業は7つの業種に大別されます。

順位 業種 平均年収
1位 養豚 556万6,612円
2位 ブロイラー養鶏 413万4,400円
3位 採卵養鶏 343万3,705円
4位 酪農 276万8,650円
5位 肥育牛飼育 257万7,642円
6位 肉用牛飼育 135万3,378円
7位 繁殖牛飼育 75万6,451円
全体 畜産業全体 294万1,548円

参考:令和4年営農類型別経営統計 営農類型別経営統計 4 酪農経営、肉用牛経営、養豚経営、採卵養鶏経営、ブロイラー養鶏経営 全農業経営体 年次 2022年|政府統計の総合窓口
参考:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

畜産業で年収アップする3つの方法

畜産業で年収アップを目指すために、以下の方法を実践しましょう。

・資格をとる
・規模の大きい農場で働く
・自社ブランドをもっている農場や企業で働く

それぞれ解説します。

資格をとる

畜産業にかかわる資格を取得することで、年収の増加が期待できます。

おもな資格は、以下のとおりです。

資格 説明
家畜商 経営者になるのに必須の資格
家畜人工授精師 牛の発情期にあわせて
適切なタイミングで人工授精が
できる国家資格
牛削蹄師 牛の健康を足元(ひづめ)から
管理する資格
日本農業技術検定 全国農業会議所の認定資格

これらの資格を取得すると、就業先によって資格手当を得られ、年収アップにつながることもあります。

規模の大きい農場で働く

規模の大きい農場で働くことも、年収を増やす方法のひとつです。

大規模な農場では機械化されたり、自動化された設備が導入されていたりして、一度に多くの動物の世話ができるため、収益が増加しやすいです。これが従業員の給与によい影響を与えます。

たとえば酪農の場合、50頭未満の牧場で働く従業員の平均年収は約89万円です。

一方、200頭以上の牧場での平均年収は約477万円で、その差は約388万円です。

こうしたことから、規模の大きい農場に就職すると高い年収を得られるでしょう。

参考:令和4年営農類型別経営統計 営農類型別経営統計 4 酪農経営、肉用牛経営、養豚経営、採卵養鶏経営、ブロイラー養鶏経営 全農業経営体 年次 2022年|政府統計の総合窓口

自社ブランドをもっている農場や企業で働く

自社ブランドをもつ農場に就職することも、高い年収を得られる見込みがあります。

というのも、自社ブランドをもつ農場は、消費者への直接販売や付加価値の高い商品の提供をおこなうことで、利益の最大化を図っているためです。

付加価値の高い商品の例として、特別な方法で育てた牛からできた「ブランド牛肉」や、こだわりをもって育てた「有機卵」などがあげられます。これらは、市場で高い評価を受け、高価格で取引されるため、収益があがりやすいです。

自社ブランドをもつ農場や企業は、このような理由で安定した収益を得やすく、その結果、従業員の給与にも反映されやすいです。

畜産業の仕事はきつい?仕事内容を業種別に解説

畜産業の仕事はきつい?仕事内容を業種別に解説

畜産業の仕事は24時間体制で家畜の世話をおこなうため、休みがとりづらく「きつい」といわれがちです。

畜産業がきついといわれる理由を、7つの業種の仕事内容とあわせて解説します。

酪農

酪農は、乳牛を飼育し牛乳を生産する仕事であり、おもな作業は以下のとおりです。

・搾乳
・牛の世話
・牛舎の清掃
・牛の健康管理

とくに、搾乳や牛の世話は毎日欠かせず、労働時間も長くなりがちで、体力が必要です。

また、牛乳の品質を保つため、細やかな清掃や牛の健康状態の確認が重要です。

畜産業界の機械化が進んでいるとはいえ、従業員の手間は依然として多く「きつい」といわれています。

肉用牛の飼育

肉用牛の飼育は、繁殖牛と肥育牛の世話を同時におこなうことが特徴で、おもな業務として次のような作業があります。

・エサやり
・牛舎の清掃
・健康チェック
・牛の成長管理

なかでも牛舎の清掃やエサの準備には、体力が必要です。

牛の体調を見極める技術や知識ももとめられ、責任の重い仕事といえるでしょう。

こうしたことから、肉用牛の飼育は体力的にも精神的にも「きつい」と感じやすいです。

繁殖牛の飼育

繁殖牛の飼育は、子牛を産ませることがおもな目的であり、仕事内容は次のとおりです。

・繁殖牛の体調管理
・発情の確認
・人工授精
・子牛の育成

これらを24時間体制で管理しなければなりません。

とくに、繁殖時期や出産期には緊張感が高まり、夜間の対応も必要です。そのため、精神的にも肉体的にも負担が大きいのが繁殖牛の飼育の特徴です。

肥育牛の飼育

肥育牛の飼育では、肉質や出荷時期を最適にコントロールすることがおもな役割で、日々の作業として以下があげられます。

・飼料の管理
・牛舎の清掃
・肥育の進捗確認

酪農や繁殖牛の飼育に比べて、体重や脂肪量の管理に細かい調整がもとめられるため、集中力が必要な点が「畜産業はきつい」とされる理由です。

養豚

養豚の仕事は、豚を飼育して豚肉を生産することで、おもな業務内容は以下があります。

・エサやり
・豚舎の衛生管理
・健康状態のチェック

なかでも豚舎の衛生管理が重要といわれています。なぜなら、豚はデリケートな動物で、衛生管理が行き届いていないと感染症にかかりやすくなるからです。

衛生管理の作業は多く、感染リスクを回避するための気配りも必要であることから「きつい」と感じる方もいます。

採卵養鶏

採卵養鶏では、卵を生産するためにメスの鶏を飼育する仕事で、おもな業務は以下のとおりです。

・卵の収穫
・エサやり
・鶏舎の清掃
・鶏の健康管理

産卵は朝に集中するため、壊れないように鶏やほかの卵とぶつかる前に、朝早く集卵する必要があります。

卵の自動収集システムが導入されている農場も増えており、業務が効率化されつつあります。それでも鶏舎の清掃やエサやり、健康管理など、毎日の細かい作業は人の手でおこなわなければならないため、負担が大きい仕事です。

ブロイラー養鶏

ブロイラー養鶏は、肉用鶏を飼育して鶏肉を生産する仕事です。

鶏の成長に合わせてエサを与え、健康をチェックしながら出荷に向けて鶏を育てます。

鶏同士が傷つけ合わないように観察することや、鶏舎の温度管理が重要です。とくに雛の場合は、温度管理が不十分だと命にかかわるため、細かい調整が必要です。

繊細な仕事であり、長時間の労働もあるため「きつい」といわれています。

畜産業に向いている人の4つの特徴

畜産業に向いている人の4つの特徴

畜産業に向いている人の特徴として、以下があげられます。

・動物が好き
・体力がある
・責任感が強い
・ルーティンワークが好き

ひとつずつみていきましょう。

動物が好き

動物に愛情をもって真摯に向き合い、日々のケアを欠かさずおこなえる人は、畜産業に向いています。

畜産業では、家畜の健康状態を把握し、ちょっとした変化にも気づける力が必要であるため、愛情のこもった細やかな世話が欠かせません。

動物の世話は労力をともないますが、動物への愛があればやりがいを見いだせるでしょう。

体力がある

畜産業に就くために、体力は不可欠です。

畜産業は、屋外での作業や重労働が多い仕事だからです。たとえば、牛や豚といった大きな家畜の世話や重い飼料の運搬、清掃作業など、日々の仕事には力が必要なものがあります。また、長時間の労働や休みの少なさにも耐えなければなりません。

こうしたことから、畜産業は体力に自信がある人に向いています。体を動かすことが好きで、過酷な作業も苦にしない人は、畜産業で成功しやすいでしょう。

責任感が強い

畜産業では、家畜の命を預かることにくわえ、細かいスケジュール管理もしなければならず、大きな責任がともないます。

動物の健康状態を毎日チェックし、病気や怪我の予防を徹底したり、異常があるときに迅速に対応したりすることが大切だからです。

さらに、出荷や衛生管理においても厳密なスケジュールを守る必要があります。これらの業務を確実に遂行できる責任感のある人材が、畜産業に適しているといえるでしょう。

ルーティンワークが好き

畜産業は毎日同じ作業をくり返しおこなうため、ルーティンワークを好む方は畜産業に向いています。

家畜は環境の変化に敏感で、ストレスが健康や生産に悪影響を与えます。そのため、一定のスケジュールを維持することが重要です。

たとえば、エサやりや清掃、健康チェックなどが定時でおこなわれます。ルーティン作業が苦ではない、地道に取り組める方にとっては、畜産業は適した環境といえます。

畜産業に就職・転職するまでの5ステップ

畜産業に就くまでの一般的な流れは、以下のとおりです。

・畜産業について情報収集する
・インターンシップや地域交流を通して畜産業を体験する
・専門学校や大学に進学する
・就職活動をする
・就農(経営)または就職する

ひとつずつ解説します。

1. 畜産業について情報収集する

畜産業に興味を持ったら、まずは業界や職種についての情報を集めましょう。

畜産業の実態や仕事内容を把握することで、将来的にどの分野で働きたいのかイメージがつきやすくなります。

インターネット検索や専門書の活用、セミナーへの参加がおもな情報収集の場です。自分に合う方法で、畜産業について調べましょう。

2. インターンシップや地域交流を通して畜産業を体験する

インターンシップや地域交流を通じて、実際に畜産業の現場を体験しましょう。

というのも、畜産業で働く日常や業務内容を体感することで、自分に向いているかを判断できるためです。畜産業の体験は、動物とのふれあいや作業環境の実感が得られる貴重な機会です。

いくつかの農場を訪れて、農場の雰囲気や導入されている機械などを比較してみるのもよいでしょう。

3. 専門学校や大学に進学する

専門学校や大学に進学することで、畜産業に必要なことを幅広く学べます。たとえば、家畜の管理や農業経営、環境保護などについての知識が身につきます。

進学するメリットは卒業後に即戦力として活躍しやすくなることです。畜産業で働くのに進学は必須ではありませんが、基礎からしっかり学びたい方は進学することを検討してみてください。

4. 就職活動をする

畜産業への就職活動は、業界の情報収集やイベント参加を通じておこないます。

経営を目指すのか、企業に就職するのかで進む道が異なります。もし経営を選ぶなら、農地や家畜の準備、経営計画の策定など、具体的な準備が必要です。

5. 就農(経営)または就職する

畜産業において、最終的に就農するか、企業などに就職するかを選びます。

就職後も、経験を積んでから独立することが可能です。自分の進むべき道に応じて、準備を整えながらキャリアを築いていきましょう。

畜産業界の今後|現状と課題とは

畜産業界は、以下の問題に直面しています。

・労働力の不足
・飼料費や燃料費などの高騰
・環境への影響

なかでも労働力不足は深刻で、令和2年の調査では従事者の70%が65歳以上を占め、若年層の参入が少ない結果となりました。

このような状況から、労働力の補填やコスト削減を目指したIoT(モノのインターネット)やAI技術の活用が注目されています。

その具体例としてあげられるのが、飼料の自動管理システムです。スマート畜産技術(畜産業の省力化や生産性向上を図る新たな取り組み)のひとつであるこのシステムは、飼料管理の効率化を実現し、環境負荷の軽減にもつながります。

畜産業は、日本の食料自給率をあげるためにも欠かせない分野です。

スマート畜産技術の導入をはじめとした業務の効率化が、畜産業界のかかえる課題を解決に導く鍵となり、持続可能な畜産業を実現するでしょう。

参考:(1)基幹的農業従事者|農林水産省

畜産業の年収を知り好きなことを仕事にしましょう

畜産業の年収は一般職より低い傾向にあり、業種や規模によって大きく異なります。

畜産業のうち、養豚やブロイラー養鶏では比較的高い年収を得ることが期待できます。また、規模が大きかったり、自社ブランドをもっていたりする農場に就職することで、さらに高い年収を目指せます。

今後、畜産業界に進もうと考えている方は、目指す職種やキャリアパスをしっかりと見据えることが大切です。自分に合った業種を選び、より安定した働き方を目指しましょう。

無料!転職サポートに登録

新着求人