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競走馬に関わる仕事とは?サラブレッドから競走馬への成長過程も理解しておこう

競走馬に関わる仕事とは?サラブレッドから競走馬への成長過程も理解しておこう

競走馬に関わる仕事について具体的に知りたい方も多いのではないでしょうか。競走馬に関わる仕事はさまざまな種類が存在し、役割もまったく異なります。あなたがどのようなかたちで競走馬に関わりたいのかが明確であれば、相性の良い仕事が見えてくるでしょう。

本記事では、競走馬に関わる仕事の代表例や競走馬を育てるためのプロセスなどを解説します。満足のいくかたちで競走馬に関わる仕事に就きたい方は、ぜひ最後までご一読ください。

競走馬をめぐる人々のつながり

競走馬をめぐる人々のつながり

競走馬に関わる仕事は非常にたくさんあり、競馬場で目にする騎手以外にも、馬の出産〜育成に関わる「牧場スタッフ」や、馬の健康管理する職業、馬を世話する職業など、さまざまな人が関わっています。

競走馬に関わりたいと考えている方は、まずどんな仕事があるのかを知ったうえで、中央競馬場と地方競馬場の採用条件の有無や労働条件の違いなどをチェックすることで、自分に合った仕事を探せるはずです。

以下では、競走馬に関係する8つの職種を一覧表にまとめました。

職種 主な仕事内容
騎手
(ジョッキー)
競走馬に乗馬してレースに出場する仕事です。中央競馬場と地方競馬場で騎手になる資格は異なり、海外競馬場の騎手として活躍することも視野に入れられます。
厩務員
(きゅうむいん)
競走馬をベストコンディションで送り出すために世話全般を担当する仕事です。特別な資格は必要ないが、JRAの厩務員になるためには資格が必須となります。
調教師 競走馬の健康管理やトレーニングだけでなく、競走馬・騎手・厩務員が所属する厩舎の経営者としての役割のある仕事です。
獣医師 競走馬の健康管理を総合的に管理する仕事です。国家資格「獣医師免許」が必須となりますが、平均年収は1,000万円を超えます。
装蹄師 装蹄師は、競走馬の蹄の装着・調整・管理をする仕事です。一般的には日本装蹄師会が発行する資格が必要になります。
ホース
セラピスト
馬とふれあうことで身体機能の改善やメンタルケアをするリハビリテーションを担当する仕事です。競走馬に関する幅広い知識や経験が求められます。
生産牧場
スタッフ
競走馬の出産〜成長までを担う生産牧場で母馬と仔馬の管理全般を行います。300年以上の歴史があり、身近でサラブレッドの誕生をみることができます。
育成牧場
スタッフ
生産牧場で育った仔馬を”競走馬”に調教する仕事です。最終的に騎手を乗せて競走馬として活躍するまでの成長を間近でみることができます。

競走馬に関わる仕事

ここでは、上記の表で紹介した競走馬に関わる8つの仕事について詳しく解説します。それぞれの仕事について理解を深めることで、どの職業も重要な役割を担っていることが理解できるはずです。

騎手(ジョッキー)

騎手(ジョッキー)は、競走馬に騎乗してレースに出場し、より良い成績を収めるために競うスポーツ選手です。

日本で騎手になるためには2つの方法があります。

ひとつ目の方法は、JRAが運営する騎手免許試験に合格したのちに「トレーニングセンター」と呼ばれる調教師が経営する厩舎に所属すること。ふたつ目の方法は、地方競馬全国協会が主催する騎手免許試験に合格して各厩舎やフリー騎手として「騎手会所属騎手」に所属することが一般的です。

また、日本で騎手になるためには20歳までに競馬学校に入学することが必須という高いハードルがあるため、20歳を超えて騎手を目指す方は、イギリスやフランス、アメリカ、オーストラリアなどの海外で騎手になるという選択肢もあります。

騎手はレースのない日は厩舎スタッフとして朝早くから調教するなどの仕事を担当しますが、主な収入は騎乗手当・騎手奨励手当・進上金(レース賞金の5%)です。

レースのランクによって異なりますが、騎乗手当と騎手奨励手当は4万円〜8万円となり、1日に複数回レースで騎乗するため、これだけでも安定した収入になります。

厩務員(きゅうむいん)

厩務員は、馬の世話全般をする仕事です。競走馬に関わる場合は厩舎に所属して調教師の指示のもとベストなコンディションでレースに送り出すために競走馬の世話を担当します。

特別資格がなくても厩務員になれますが、中央競馬の厩務員になるためにはJRAの厩務員の資格を取得する必要があります。

基本的には調教師が経営する厩舎に住み込みで早朝から仕事することから1日を通して馬と関わります。

給料に関しては、厩舎を経営する調教師からの「給与」に加えて、担当した競走馬がレースで活躍して得た賞金の5%となるため、担当馬がレースで活躍すればするほど年収がアップすることが特徴です。

騎手に比べると給与面ではやや劣りますが、JRA厩務員の平均給与は800万円と、安定した高収入が見込める仕事です。

調教師

調教師は、馬主から預かった競走馬の健康管理やトレーニング、責任者として厩舎の運営などが主な仕事です。

”競走馬を鍛える仕事”というイメージの強い調教師ですが、馬の調教以外にも競走馬・騎手・厩務員が所属する厩舎の経営者(社長)としての役割もあるため、年収についても騎手よりも高く平均年収は1,200円です。

競走馬の調教や経営など、幅広い仕事を担当するため激務になりますが、調教師として結果を出すことで大幅な年収アップにも期待できます。

獣医師

競走馬獣医師は、競走馬の健康管理を総合的に管理する仕事です。

ワクチンの定期接種や診療、薬物取締りのための治療履歴チェック、レース直前のコンディションチェックなど、幅広い業務から競走馬のパフォーマンスを最大限引き出すためにサポートします。

競走馬獣医師になるには国家資格である「獣医師免許」を取得することを前提に、競走馬に関する専門的な知識が必要となるため、平均年収はJRAの競走馬獣医師で1,079万2,000円と高い水準です。

装蹄師

装蹄師は、馬の蹄に蹄鉄を装着したり、削ることでの調整・管理をする仕事です。

厳密には装蹄師になるために資格は必須ではありませんが、競走馬の脚を支える蹄を管理する重要な仕事となり信頼度を担保するためにも、社団法人日本装蹄師会が開催する「装蹄師認定講習会」を受講したのちに資格を取得することが一般的となります。

装蹄師の平均年収は300万円ほどですが、経験を積み「1級認定装蹄師」や「指導級認定装蹄師」を取得できれば年収アップが期待できますし、独立開業することでも年収アップに期待できます。

ホースセラピスト

ホースセラピストは、馬とふれあうことで身体機能の改善やメンタルケアをするリハビリテーションを担当します。

アニマルセラピーのなかでも馬と専門的に関わる人をホースセラピストといい、馬だけでなく馬と関わる人の心身のケアも行います。

ホースセラピストになるための明確な資格は存在しませんが、乗馬インストラクターの経験や馬の管理、調教などについて知識を持っておくことが必要です。

生産牧場スタッフ

生産牧場スタッフは、競走馬の出産〜成長までを担う生産牧場において、母馬と育成牧場に入るまでの仔馬の世話全般をする仕事です。

競走馬には欠かせない”速く走ること”を前提としたサラブレッドの繁殖をするため、日頃から速く走ることに長けた馬を生み出すための管理・工夫が考えられています。

馬が健康的に出産できるように、ウォーキングマシンでの運動不足解消や健康状態の悪化が見られたら獣医師を呼ぶ対応、飼料となる乾燥草の収穫など、幅広い業務です。

300年以上の歴史のある仕事で、サラブレッド誕生を間近に見れる非常に魅力的な仕事といえます。

育成牧場スタッフ

育成牧場スタッフは、生産牧場で生まれた馬を”競走馬”として調教しながら育てていく仕事です。

育成牧場では以下の3つのステップに分けられて育成されることが一般的です。

・第1ステップ:人が乗れるように調教
・第2ステップ:運動できるように調教
・第3ステップ:速く走れるように調教

何も知らない仔馬から立派な競走馬になるまでの過程を身近に見れるという刺激的な仕事である一方、何も知らないからこそ跳び跳ねたり振り落とされたりするリスクもあります。

中央競馬と地方競馬の違い

中央競馬と地方競馬の違い

ここでは、中央競馬と地方競馬の違いについて、以下のポイントから違いを解説します。

・主催者
・開催上(コース)
・賞金・規模
・所属騎手や調教師
・開催日や時間

中央競馬と地方競馬は大きく異なりますので、仕事を探す前に違いについてチェックしましょう。

主催者

中央競馬場はJRA(日本中央競馬会)によって一括運営されている、地方競馬場はNAR(地方競馬全国協会)が中心となって運営されているという主催者の違いが、中央競馬と地方競馬の最大の違いです。

地方競馬場はNARを中心に連携しているものの、一括管理ではなく実際の運営は各自治体が行っているため、地方競馬場では特徴的なレースが行われているケースがあります。

たとえば、体重800kg〜1200kgほどの大型馬が鉄製のソリと騎手を引いて競争する「ばんえい競馬」は、北海道帯広市が主催する地方競馬(帯広競馬場)でのみ開催されています。

開催場(コース)

中央競馬は日本全国10ヶ所にあるJRA管理の競馬場、地方競馬は全国15競馬場でレースが開催されます。

それぞれの競馬場は以下の通りです。

中央競馬場 地方競馬場
札幌競馬場
函館競馬場
福島競馬場
中山競馬場
東京競馬場
新潟競馬場
中京競馬場
京都競馬場
阪神競馬場
小倉競馬場
帯広競馬場
門別競馬場
盛岡競馬場
水沢競馬場
浦和競馬場
船橋競馬場
大井競馬場
川崎競馬場
金沢競馬場
笠松競馬場
名古屋競馬場
園田競馬場
姫路競馬場
高知競馬場
佐賀競馬場

また、中央競馬場は芝コースとダートコースの両方が設置されていますが、地方競馬場はダートコースのみ設置されることが多いです。

賞金・規模

中央競馬と地方競馬は運営元が異なるため賞金についても大きく異なり、中央競馬のほうが圧倒的に賞金額やレース規模が大きくなります。

たとえば、競馬について詳しくなくても知っているような「ジャパンカップ」や「有馬記念」、「日本ダービー」などの大規模なレースはすべて中央競馬場で開催されており、賞金も億を超えるレースが多いです。

また、中央競馬ではレース賞金が1億円を超える大きなレースもありますが、地方競馬では1億円規模のレースは現状存在しないことも大きな違いでしょう。

このようなことから、優秀な騎手や競走馬は基本的に中央競馬での出走を目指しますが、オグリキャップのように地方競馬(大井競馬場)からデビューしたにもかかわらず中央競馬のG1レースを制するケースもあります。

所属騎手や調教師

中央競馬と地方競馬では、騎手や調教師になるための資格を別の団体が発行しているため、どちらかの資格だけでは両方のレースに出場することはできませんし、調教師としても業務できません。

中央競馬場はJRAが発行した資格、地方競馬はNARが発行した資格が必要ですので、いくら地方競馬で活躍したからといって、実績だけで中央競馬の騎手にはなれません。

また、競走馬においてもレース内容の異なる中央競馬と地方競馬では活躍する馬も異なるケースが多いです。

開催日や時間

中央競馬は土日祝(祝日が月曜日の場合)の10時〜16時半までに1日12レース開催されることが基本ですが、地方競馬は曜日に関わらず開催されていますが、中央競馬と被らないように平日開催されることが多いです。

また、中央競馬はナイターのレースはありませんが、地方競馬はナイター競馬を実施している競馬場もあります。

サラブレッドが競走馬になるまで

サラブレッドが競走馬になるまで

ここでは、サラブレッドが競走馬になるまでの課程について詳しく解説します。サラブレッドがどのように成長するのかを理解することで、多くの人が関わっていることが理解できるでしょう。

当歳(0歳) 誕生~授乳期

馬の妊娠期間は330日ほどと言われており、年に1回の出産で1頭を出産、時期は一般的に1月ごろから始まることが多く、3月〜4月ごろが出産のピークとなります。

馬の出産後の流れは以下の通りです。

・出産から1時間:自分で立ち上がる
・出産から2時間:授乳開始
・出産から1日〜2日:母馬と一緒に放牧できる
・出産から半年:離乳・親離れ

当歳(0歳)~1歳 教育期

誕生した年の11月ごろを過ぎたあたりから、放牧地での運動によって基礎体力をつけるようになります。

基礎体力をつけるとともに、多くの馬と触れ合うことで社会のルールやコミュニケーションなどについても学ぶようになります。

ちなみに、馬の年齢の数え方は、誕生した年を「当歳(0歳)」といい、翌年の1月1日を「1歳」とする計算です。

1歳 馴致(じゅんち)期

1歳の秋ごろからは、競走馬として人を乗せるための「騎乗馴致(じゅんち)」が行われます。

騎乗馴致では、単純に人が乗ることに慣れるだけでなく、馬具の装着や駈歩(かけあし)と呼ばれる正しい歩き方などを数週間でじっくり慣れさせていきます。

1歳~2歳 基礎体力養成

1歳〜2歳にかけて騎乗運動を中心にして基礎体力を向上させます。

この時期に競走馬として活躍するための本格的な準備が始まります。

2歳~ 能力向上期

2歳になると騎乗した状態での走行にも慣れはじめ、騎乗者のイメージ通りに走れるようになるため、実際のレースを想定して体力作りも同時に進められます。

2歳~能力判定

スタミナが付いたら、スピード力を鍛えるために実践形式に近い「追い切り調教」が行われます。

追い切り調教をすることで、馬が実際のレースに出場できるかどうかを判断でき、問題なければ競走馬としてデビューします。

競走馬に関わる仕事のよくある疑問と回答例

競走馬に関わる仕事のよくある疑問と回答例を紹介します。

Q.競走馬の調教とは?

競走馬の調教とは、資格を持った調教師がトレーニングセンターにて、競走馬の能力を最大限引き出すためのトレーニングです。

調教の内容は調教はコース追い・坂路追い・プール調教などが代表的ですが、馬の特徴によっても変更され、どの部分に重きをおいて調教したのかについては競馬新聞から推測できます。

Q.競走馬の育て方とは?

調教師や厩務員などの人たちが連携して心身ともに健康に過ごせるように管理され、長期的に育成されます。

Q.牧場スタッフになるためには?

牧場スタッフになるためには、スクールに通う・研修を受けるという2つの方法が一般的です。

たとえば、サラブレッドの生産・育成に携わりたいのであれば「生産育成技術者研修(JBBA研修)」、調教に関わりたいのであれば「育成調教技術者養成研修(BTC研修)」というように、関わる仕事によっても必要な知識は異なります。

また、牧場によって研修方法が異なるため、未経験からいきなり実務で仕事を覚えさせられる労働環境の整っていない牧場もあります。

そのため、馬に関わる仕事は情報量が豊富な求人サイトをチェックすることがおすすめです。

まとめ

本記事では、競走馬に関わる仕事や競馬場の違い、サラブレッドの成長課程などについて詳しく解説しました。

競走馬がレースで活躍するためには数多くの仕事が関わっており、どの仕事も欠かせないものです。

「競走馬と関わりたい」という視点から、どのような部分に関わりたいのかを見つけることで、より自分に合った仕事を探せるのではないでしょうか。

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