03-5730-1331

受付時間 9:00〜18:00(土日祝はお休み)

有料職業紹介 許可番号 13-ユ-309036

和牛繁殖農家の年収はいくら?畜産業界の将来性も解説

和牛繁殖農家の年収はいくら?畜産業界の将来性も解説

「和牛繫殖農家の年収はどれくらい?」
「畜産業をやっていくべきなのか不安がある」

このようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。

本記事では、和牛繫殖農家の年収実態や将来性について解説します。和牛繁殖農家の年収実態を知りたい方や将来の方向性を固めたい方は、ぜひ最後までご一読ください。

和牛繁殖農家とは和牛繁殖農家とは?

和牛繁殖農家とは、母牛に子牛を産ませて一定期間育てた後、その子牛を販売して売り上げを立てる農業です。

和牛繁殖農家の売上は、母牛の発情期を逃さずに種付けをし、いかに効率的に子牛を生産するかによって大きく左右されます。子牛は生後9ヵ月程度経ったら肥育農家に売られるので、生後20ヵ月程度育てる肥育農家と比べて棚卸高は小さくなります。

繁殖農家は、飼育する家畜そのものが売上に直結するため、酪農と同様に、母牛や子牛の健康状態を良好に保つための管理能力が問われます。そのためには、餌となる牧草を適期に刈り取り、良質なエサを確保する工夫も重要なポイントです。

畜産農家の平均年収とは

続いて、畜産農家の平均年収についてみていきましょう。今回は、2021年の農林水産省農業経営統計調査を基に、個人経営体と法人経営体ごとの平均年収をまとめました。

個人
経営体
農業所得:2,089千円(約209万円)
専従者給与:551千円(約55万円)
合計年収:2,640千円(約264万円)
法人
経営体
総給与支給額:9,183千円
(約918万円)
雇用者数:4.98人
一人当たりの平均給与: 1,844千円
(約184万円)

参考:e-stat(酪農経営、肉用牛経営、養豚経営、採卵養鶏経営、ブロイラー養鶏経営、参考データ:「個人経営体」「法人経営体」)

※個人経営体:農業所得と専従者給与を合計して算出
※法人経営体:給与支給額を基にして雇用者一人当たりの平均給与を算出

このように、経営体が個人なのか法人なのかによって、平均年収には開きが出ることが分かります。日本の平均年収が461万円(参考:国税庁)であることから、いずれにしても和牛繁殖農家の平均年収はかなり下回っているのは事実です。

もちろん、牧場の規模や経営方針によって年収は大きく異なりますが、和牛繁殖農家を生業にしたいと考えている方は、平均年収は決して高くないという点を頭に入れておいた方が良いかもしれません。

畜産農家の生産費の推移

農業を始めるときは、市場ごとにどれくらいの生産費がかかるのかを正しく理解する必要があります。市場平均と比べて、自社の生産費は上回っているのか、それとも下回っているかをチェックすれば、生産費を見直す必要性を判断しやすいでしょう。

なお、畜産農家における生産費とは「畜産物を生産するために要した費用の合計」です。

具体的な内訳は、以下のとおりです。

畜産物の生産に要した材料(付料、もと畜、飼料、その他の材料)の賃借料及び料金、物件税及び公課諸負担、労働費、固定資産の財貨や用役等の合計

これらを前提として、以下のカテゴリーに分けて生産費の調査結果を解説します。

・牛乳生産費
・子牛生産費
・乳用雄育成牛生産費
・交雑種育成牛生産費

農林水産省が出したデータをもとに、詳しくみていきましょう。

牛乳生産費

牛乳生産費
出典:令和4年 牛乳生産費|農林水産省

農林水産省調べによると、令和4年の搾乳牛1頭当たり資本利子・地代全額算入生産費は、令和3年の100万8,902円から14.1%増加し、生乳100kg当たり(乳脂肪分3.5%換算乳量)全算入生産費は9,669円と、前年に比べて9.8%増加したことが明らかとなりました。

子牛生産費

子牛生産費

出典:令和4年 肉用牛生産費|農林水産省

次に解説するのは、子牛生産費になります。肉用種の繁殖雌牛を飼養し、子牛を販売する経営体における子牛1頭当たり全算入生産費は81万2,545円と、前年に比べて14.1%増加しています。

乳用雄育成牛生産費

乳用雄育成牛生産費
出典:令和4年 肉用牛生産費|農林水産省

続いて、乳用雄育成牛生産費について触れていきましょう。肥育用もと牛とする目的で乳用種の雄牛を育成し、販売する経営体における育成牛1頭当たり全算入生産費は25万9,856円と、前年よりも4.9%増加しています。

交雑種育成牛生産費

交雑種育成牛生産費

出典:令和4年 肉用牛生産費|農林水産省

最後に、交雑種育成牛生産費について解説します。肥育用もと牛とする目的で交雑種の牛を育成し、販売する経営体における育成牛1頭当たり全算入生産費は33万5,600円と、前年に比べて5.2%増加しました。

畜産農家の将来性について

畜産農家の将来性について

昔と比べて、畜産農家の需要は下がりつつありますが、完全になくなることはないといわれています。

近年、ウクライナ情勢による原油の高騰や円安、中国における需要の高まりなどが原因となり、トウモロコシなど穀物需給がひっ迫し、家畜のエサ代が高騰しています。にもかかわず、大豆を利用した植物性ミートなどの代用肉の開発が進んでおり、畜産物の消費量は減少傾向にあります。

畜産農家にとって非常に苦しい状況であるのは事実ですが、必ずしも全ての畜産農家の将来性が途絶えるわけではありません。ロボット、AI、IoT活などを活用したスマート畜産によって、人件費を抑えて業務効率化を図れれば、今後の時代においても勝ち残っていける可能性は十分にあるでしょう。

なお、今後も新たな時代の変化が訪れたときは、新たな技術導入などを検討する必要も出てきます。そのため、畜産農家に挑戦する方は、既存の在り方にとらわれず、フレキシブルな姿勢で農業に取り組むことが求められるでしょう。

まとめ

和牛繁殖農家の平均年収は決して高くないので、売上をつくるための経営基盤を整えない限り、高年収を実現させるのは、なかなか難しい仕事かもしれません。しかし、スマート畜産を始めとした業務効率化をおこなえば、経営基盤を固めて年収アップを図るチャンスもゼロではないでしょう。

しかし、年収アップを確実に図りたいという方も多いかと思います。FarmAgent(ファームエージェント)では、さまざまな農業の求人を取り扱っています。農業に精通したエージェントがあなたの経験・スキルに合った求人を探してくれるので、効率良く高年収の求人を探したい方は、エージェントの力も借りてみてください。

無料!転職サポートに登録

新着求人