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【徹底解説】酪農の大変なこと・やりがいとは?

酪農の大変なこと・やりがいとは?

「酪農は大変なことが多いって本当?」
「酪農を始めたいけど、大変なことをこなせるか不安」

このような疑問や悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。

本記事では、酪農の大変なことややりがいなどについて詳しく解説します。なお、後半では酪農業に向いているかを判断するためのチェックポイントも解説します。

これから酪農業を始めようか検討している方や、酪農業を始めたばかりで不安な方は、ぜひ最後までご一読ください。

酪農とはどんな仕事なのか

まず、酪農とはどのような仕事なのかを以下3つの項目に分けて理解を深めていきましょう。

酪農とは

酪農とは、主に乳牛を飼育してチーズやヨーグルトなどの乳製品の原料になる生乳を生産する農業です。世界には、ヤギなどを飼育して乳を採取する酪農家も存在しますが、主に日本国内では主に牛の牛乳を生産します。

酪農業は、良質な生乳を生産するために、搾乳、餌やり、牛舎の清掃、牛の健康チェックが欠かせません。良質な生乳を生産するには、牛にとってストレスフリーな環境を整える必要があるので、365日牛のストレス状態・体調に気を配る必要があるのです。

畜産と酪農の違い

これらは似たようなイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、厳密にはそれぞれ異なります。

まず「畜産」とは、家畜の肉や皮革、乳などを得るために動物を飼育・生産する畜産業です。一方、生乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品を生産するために動物を飼育する畜産業を「酪農」といいます。つまり、「酪農」は畜産業の一部に該当します。

いわば、「酪農」は畜産業の中でも生乳や乳製品の生産に特化した農業だと理解しておきましょう。

酪農業の大変なこと

一般的に、酪農業=大自然の中で牛たちとのんびりと過ごす仕事というイメージをもっている方もいるかもしれません。しかし実際は、人間よりも遥かに身体が大きい牛たちを相手にするハードワークです。

また、前述したように、酪農業を支えるのは牛だからこそ、酪農家は牛の生活を第一に考えて働かなければなりません。ただ動物が好き、牛のお世話をしたいという気持ちだけでは勤まらない仕事だといえるでしょう。

酪農は「やめとけ」と言われる理由

酪農は「やめとけ」と言われる理由

「酪農はやめとけ」という声も聞かれますが、なぜやめとけと言われるのでしょうか。具体的に挙がっている声は、以下のとおりです。

・給料が安い
・拘束時間が長い
・別職種へ転職しづらい
・廃業率が高くなっている
・長期休暇を取りにくい

酪農を始めるときは、これらの要素をしっかりと理解しておかなければ、後々後悔するかもしれません。詳しくみていきましょう。

給料が安い

酪農は自然の中で動物と触れ合える魅力的な仕事ですが、給料が安い点が大きな課題です。

日本の平均年収が461万円であるのに対し、酪農業の平均年収は約353万円と、平均以下であることが明らかとなっています。

もちろん、経営戦略を上手く立てれば年収の幅は広げられますが、軌道に乗るまでは安月給になる可能性が高いと思っておいた方が良いでしょう。

また、生乳の質が低く、十分な量も生産できなければ、その分だけ生産物の売上がダウンしてしまいます。牛が病気になってしまったときは、生産自体がストップしてしまう場合もあるでしょう。

それらの点をふまえると、酪農業は給料が安いだけでなく、安定した収入を実現させるのも決して簡単ではないといえます。

拘束時間が長い

酪農は、拘束時間が長くて想像以上にハードな仕事です。早朝から夜遅くまで、牛の体調管理や搾乳作業などにずっと気を配る必要があるので、多くの酪農家が長時間労働になりがちです。

家族とゆっくり過ごす時間をつくれないケースも多く、休日も緊急時に対応せざるを得ない場合もあるので、プライベート重視で働くのは難しいと思っておいた方が良いでしょう。

別職種へ転職しづらい

酪農は、自然の中で動物と過ごす専門性の高い仕事です。一度この業界に慣れてしまうと、営業職や事務職などのオフィスワークには転職しづらい可能性も決してゼロではありません。

企業が未経験者を採用してくれるなら問題ありませんが、多くの企業は即戦力クラスの経験者を積極的に採用します。また、年齢が上がれば上がるほど、企業が転職者に求める経験やスキルのハードルも上がっていくのが一般的です。

そのため、酪農業にチャレンジするときは、酪農の道を一生究める覚悟を持った方が良いかもしれません。

廃業率が高くなっている

近年、後継者不足や乳製品価格の低迷、飼料費の高騰など、酪農を取り巻く環境は厳しさを増しています。

中には、酪農家の9割が経営難に直面し、4割が年内に廃業するという予測も流れており、多くの農家が厳しい状況に追い込まれていることが分かります。

そのため、酪農を長く続けていくためには、ECサイトなどの販路開拓を例として、生き残っていくための戦略立てが必須となるでしょう。

長期休暇を取りにくい

酪農業は、365日24時間牛と向き合う仕事なので、長期休暇を取ることは非常に難しいといわれています。

たとえば、年末年始やゴールデンウィークなどの長期連休を取得できたとしても、牛の世話のために休日出勤せざるを得ないケースがほとんどです。

一部の牧場では、シフト交代制を導入したり、従業員同士で協力し合いながら長期休暇を取得できる環境を整えているケースもありますが、まだまだ少数派だといえるでしょう。

シビアな言い方になってしまいますが、酪農家になる道を志すときは、長期休暇を犠牲にする覚悟をもった方が良いかもしれません。

酪農における4つのやりがい

酪農における4つのやりがい

酪農業は、以下のようなやりがいを感じられる仕事です。具体的には以下のとおりです。

1.動物と存分に触れ合える
2.技術を学べるチャンスが多い
3.売上に貢献できるのを実感しやすい
4.出産に立ち会うと達成感を味わえる

これらの要素に少しでも「ピン」と来た方は、酪農業を通じて大きなやりがいを得られるかもしれません。詳しく解説します。

①動物と存分に触れ合える

酪農家の仕事は、牛が良質な生乳をつくれるようになるために牛を育てることです。

牛と信頼関係を結ぶためには時間がかかるからこそ、毎日お世話をする中で、牛への愛着が自然と深まっていくものです。動物と触れ合いたい方にとっては、非常にやりがいのある仕事といえるでしょう。

しかし、酪農は想像以上に大変な仕事でもあります。たとえば、突然の病気や出産など、予想外のトラブルに直面することも多いので、常にアンテナを張っておくのも大切です。

動物と触れ合える喜びは大きいですが、その一方で、責任と覚悟が求められる仕事といえるでしょう。

②技術を学べるチャンスが多い

酪農業には、国や自治体によるさまざまな支援制度が存在するので、技術を学び、スキルアップにつなげるチャンスがあります。

特におすすめしたい方法は、「酪農ヘルパー」として経験を積むことです。基礎知識の習得はもちろん、酪農家のもとで実際に乳牛の世話をして実習をおこなえるので、実践を通じて酪農家としてのスキルを磨けます。

酪農家になるために特別な資格はいらないので、たとえ経験がなくても、やる気さえあればイチからプロの酪農家を目指すのも可能です。酪農家を目指す方にとって、国から多くのバックアップを受けられる点は、大きな励みとなるでしょう。

③売上に貢献できるのを実感しやすい

酪農は、自然の中で動物と一緒に過ごせる魅力的な仕事ですが、大変な側面もあります。

酪農業とは、牛から多くの良質な生乳を生産することで売上を成り立たせるビジネスです。もし、牛がストレスを感じたり体調が悪かったりすると、搾乳量が減ってしまい、生乳の品質が低下してしまうおそれが出てきます。

逆に、愛情を込めて丁寧に世話をすれば、搾乳量が増え、生乳の品質も向上し、結果的に売上アップにつながることもあるでしょう。

いわば、牛が売上を大きく左右するといえますが、裏を返せば、売上に貢献できるのを実感できるのが酪農家の醍醐味だといえます。

④出産に立ち会うと達成感を味わえる

酪農は、早起きが必須であったり、仕事が天候に左右されてしまうなど、大変なことも多いのはたしかです。

しかし、一生懸命育てた牛が無事に出産できたときは、大きな喜びと達成感を感じられる瞬間です。新たな命が誕生する瞬間は、滅多に目の当たりにできないでしょう。

実際に、職場体験をした小中学生からも「牛の出産に感動した」といった声も挙がっていることから、その感動は心に深く刻まれることがわかります。

酪農は大変な仕事であると同時に、命の誕生という感動を味わえる、やりがいのある仕事なのです。

酪農に向いているかを判断するときの5つのチェックポイント

酪農に向いているかを判断するときの5つのチェックポイント

自分が酪農に向いているかを判断したいときは、以下5つのチェックポイントを参考にしましょう。

1.動物が好きか
2.体を動かすのが好きか
3.朝早くても大丈夫か
4.勤務先が遠くても平気か
5.接客をしたいか

これらの項目に当てはまる数が多ければ多いほど、酪農家に向いているといえるでしょう。一つひとつ解説します。

①動物が好きか

酪農業は、一日の大半を牛と向き合うことに費やすので、動物が好きでなければ勤まらない仕事です。

さらに言うと、動物が好きという気持ちだけでは成り立たないのも酪農業の難しいところです。たとえば、牛が病気になったり出産を迎えたりしたときは、命を預かる責任をもって牛のお世話をしなければなりません。

このように大変なことも多いですが、動物と触れ合うことで、それらの苦労を乗り越えられるという方も少なくありません。

「動物が好き」という気持ちは、酪農を続けていくための大きな原動力となるでしょう。

②体を動かすのが好きか

酪農は、乳しぼりや牛舎の清掃などで、ほぼ一日中体を動かします。体力勝負ではありますが、普段から体を動かすのが好きならば、決して苦ではないでしょう。

肉体的疲労はもちろん相当なものですが、オフィスワークのように一日中パソコンとにらめっこするわけではないので、精神的疲労は少ないでしょう。

むしろ一日中動いて夜に眠りにつくとき、「今日も一日がんばったな」という心地よさを感じるかもしれません。

③朝早くても大丈夫か

酪農は遅くとも朝6時までには起きなければならないので、早起きはもはや必須です。もちろん、生活リズムを整えればある程度慣れるかもしれませんが、夜型生活に慣れてしまっている方だと、難しいかもしれません。

日頃の生活リズムは朝型か夜型か、夜型であれば生活リズムを改善できそうか、自分に問いただしてみてください。

④勤務先が遠くても平気か

酪農は、勤務地が遠いケースも多いので、勤務先が遠くても平気かどうかも重要なチェックポイントの一つです。

酪農家は、早朝出勤や深夜の作業など、一般的な会社員とは異なる勤務体系であることが多く、自宅から遠く離れた牧場まで通わなければいけないケースも少なくありません。

たとえば、日々の通勤時間が長すぎる場合、体力的な負担が蓄積し、仕事に支障をきたしてしまうおそれがあります。また、牛がお産を迎えたときなどは、すぐに駆けつけなければなりません。

ただし、牧場が住み込みを歓迎してくれるのであれば、これらのチェックポイントは気にしなくて大丈夫です。勤務先がどのような勤務形態を推奨してくれるのか、あらかじめチェックしておくと良いでしょう。

⑤接客をしたいか

酪農業は、ほとんどの時間を牛と一緒に過ごすので、人と関わる機会は決して多くありません。もちろん、従業員同士の関わりや農協や飼料会社とのやり取りはあっても、一般のお客様を相手に接客するような場面はほとんどありません。

人と接する仕事に長年慣れ過ぎている方や、人と話すことを仕事にしたい方にとって、酪農業は合っていないかもしれません。

前述した「①動物が好きか」と同じくらい重要なチェックポイントとなりますので、果たして接客をしたいかどうか、自分の胸に手を当てて考えてみましょう。

まとめ

本記事では、酪農の大変なことややりがい、向いている人の特徴について解説しました。

決して誰にでもできる簡単な仕事ではありませんが、大自然の中で牛と向き合う時間は、他の仕事では得られない充実感につながるでしょう。

都会の喧騒から離れ、動物と共に暮らす日々を実現させたい方にとって、酪農家は天職にもなり得るかもしれません。

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